あの時から10年

もう少しで、3月11日を迎えることになる。2011年の東日本大震災から10年が経とうとしている。そして、「くじらとーく(KUJIRA TALK)」という名のこのブログもまた、紆余曲折を経て10年が経とうとしている。

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「太地水産共同組合の百年」の巻頭言より

先日のミンククジラの混獲の件で反捕鯨・アニマルライツ界隈から非難を受けた「太地水産共同組合」だが、同組合の記念誌の巻頭の言葉には、現在の状況を予感させるような庄司元町長の言葉が記されていた。今回はその言葉から、現在の状況について考えたい。

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アニマルライツはヘイトを煽る活動か?

先日、興味本位で興味本位で視聴していたLIA(Life Investigation Agency)のライブ動画のログから伝わってくる差別的な思想は、先鋭的なアニマルライツ活動家特有のヘイトにつながっているのではないかと感じた。
今回はその動画を視聴した感想などについてまとめてみた。

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英国首相のコメントの違和感

今回は2021年1月15日に報じられた、太地町のミンククジラの混獲についてのイギリス首相のコメントについて感じた違和感や、奇妙な状況について書いていこうと思う。

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混獲という出来事

2020年の年末、太地町の定置網にミンククジラが流入し、動物愛護界隈からの中傷めいた非難が集中した。しかし、同時期に御浜・宇久井・室戸と行った地域でも同様の混獲事案が発生していた。何故、太地にのみ非難は集中したのだろうか?

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近況報告と来年のはなし

新型コロナ禍で混迷を極めた2020年も終わろうとしているが、僕自身も大きな転機を迎えた年だった。
そんな1年の終わりの近況報告と、来年の実現したいことについて書いておこうと思う。

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インターネット活動家の奇妙な論理

今回は、Twitter上で「反捕鯨君」を名乗るインターネット活動家が主張している、いくつかのTweetを眺めながら、改めてその人物像について考察をしていきたい。
この人物は捕鯨問題について長期間、様々な場で言及しているが、一体どんな人物なのだろうか?

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近況報告など

前回の更新から、また少し日が経ってしまったが、その間に自分の人生の転機ともいえる大移動があり、またいくつか言及しなくてはならないと感じたこともできてしまった。
様々なことが続いたので、まずは自分のことを少し書こうと思う。

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伝えることの大切さ

先日「白鯨との闘い」という映画を観た。
アメリカの帆船式捕鯨の様子がとてもわかり易く表現されており、それ故に白鯨の猛威や自然の過酷さがとても良く伝わる作品になっていると思う。
それで、同様に日本の捕鯨の様子を伝える映画があるのかを探してみた。

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この一週間で考えたこと

サボっていたこのブログを一週間ほど更新してみたが、その中で自分はどうあるべきなのか、どうやって生きていけばいいのだろうか的な話を、ちょっとまとめたいと思う。
この後は再び、更新が滞るかもしれないが、このブログを続ける意義を見つけた気がするので、お暇なときにでも読みに来ていただけると嬉しい。

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食の問題と捕鯨

このブログでは、捕鯨問題の一側面として、アニマルライツを経由して、食に関する話題を何度か取り上げてきたが、今回はその中でもかなり大きな意味を持つであろう、ドキュメンタリー映画の話をしたい。
今回のアイキャッチは、こちらの動画のスクリーンショットです。

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嬉しい発見

ここ数ヶ月、YouTubeを毎日のようにダラダラみているのですが、そんな中でとてもいい動画を見つけたので、その動画を紹介したい。
今回のアイキャッチ画像はその動画の中のスクリーンショットですが、こんなに大きな塊の赤肉、一度購入してみたいもんだ…。

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「くじらぬりえ」のご紹介

先日、Facebookにて、「くじらぬりえ」というものを見つけた。
鯨を扱った単なる塗り絵なのかと思いきや、その中にはメッセージがあり、共感できるところがあったので、今回は、この塗り絵の紹介をしたいと思います。

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エスノセントリズムと報道

先日、Facebookで気になる記事を見かけた。
それはどうやらネットのみで活動している、独自のメディアのようだったが、酷く偏った内容が気になったので、そのことについて少し考えてみた。

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かつて行われていた師崎の捕鯨

先日、師崎までドライブをした際に、ふとある動画のことを思い出しました。
それは2015年頃に制作された南知多町の歴史に関するもので、捕鯨について扱われている部分があると、以前に伺ったことがあるのです。
今回は、その動画についての話です。

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選択と集中

先日の配信されたニュースサイトの記事の中で、是非触れておきたいなと思った記事があったので、メモがわりに。
必要な情報は一見センセーショナルな記事ではなく、こうした事実に即した内容のものなので、見落とさないように、注意しなければいけません。
※なお、写真は記事とは関係なく、美味しそうな写真を写真ACで探したもの。

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時期尚早な話では?

領海での商業捕鯨再開から一年が経ち、様々な評価が出てきているが、どうも誤解があるというか、正当に評価ができていないというか、時期尚早な話が多い気がしないでもない。
鯨の刺し身を食べながら、そのへんの話を少しまとめてみたいと思う(昨年末に買い込んだ最後の赤肉の刺身。美味しゅうございました)。

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和田浦へ

一年ほど更新が空いてしまい、申し訳ありません。

昨年更新以降、二度ほど太地にも行っているのですが、新型コロナ関連の事情やその他の事情で、大したこともできず、またいくらか積読中の捕鯨関係の書籍を消費して、新しい動画の構想も考えていたのですが、こちらも完成はまだまだ掛かりそうで(というか、構想段階で止まってしまっています)…。

ただ、そんな日常の中で、ふと思い立ってある場所に行ってきました。

それは、千葉県南房総市和田町という、房総半島の南端にあるばしょです。
ツチクジラを捕獲している数少ない場所である、和田浦です。

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商業捕鯨再開について思うこと

2019年7月1日、関係者たちにとっては長年の念願であった、31年ぶりの商業捕鯨が再開された。
残念ながらEEZ内という限られた漁場で、なおかつ調査捕鯨時よりも少ない捕獲頭数ではあるが、これまでの理不尽な経緯を知るものにとっては、仮に二度と南氷洋や北西太平洋の調査海域での調査捕鯨を手放したとしても、得たものはあったのではないかと考えるのではないだろうか。

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それでも動物はごはんである

2019年6月1に渋谷にて動物愛護団体「アニマルライツセンター」が、「動物はごはんじゃないデモ行進」というなのデモを行うようだ。すでに5ちゃんねるTwitterでは「ごはんじゃなくておかずだよね」というような見解や、やや大喜利めいた書き込みが見かけられるが、ここで、あらためて肉を食べることの必要性について、少し書いてみたいと思う。

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教訓を活かす必要性

IWCを日本が脱退したことで、南氷洋での調査捕鯨は今後行われることはなくなった。調査捕鯨で大きな役割を果たしてきた捕鯨母船は、どのような経緯を経て開発されたのかを考えることで、南氷洋での捕鯨が活発化した理由について考えてみたい。

といいますか、以前から思っていたこととほぼ同じことが、先日読み終わった「鯨の教訓」という本に記載されていたので、その話を引用しつつ、話を進めたいと思います。

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トロフィーハンティングと害獣駆除

今まで「某猟友会」と濁して書いてきたが、今回から僕個人の責任において、その団体の名前を明らかにすることにした。
それは岩手県花巻市で活動する「特定非営利活動法人 花巻猟友会」(以下「花巻猟友会」とする)という名称で、公的に登録されているNPO団体だ。
以前には「目指せ!狩りガール」というサイトの中でも取り上げられており、ほかにも岩手県からも認定鳥獣捕獲等事業者として登録もされている。
ちょっと検索すれば定款のPDFまで公開されており、以前に動物愛護系の団体で、とてもずさんなのを見たことがあり、比較するのも申し訳ないですが、それからすると個人的にはきちんと活動をしているNPO法人ではないかと思えた。

さて、この花巻猟友会のFacebookページが、アニマルライツ系のFacebookユーザーによって誹謗中傷コメントが大量に書き込まれており、そのひどいコメントに対して反論するユーザー(僕を含む)も含めてコメント欄が荒れている状況だ(僕も正直申し訳ないと思ってはいるのだけれど、「ここまで言われたら猟友会の方も辛いだろう」と勝手に思い込んでコメントを書き込んでしまうのは、反省しなければならないと思う)。
捕殺された鳥獣等が写っている画像をヘイトを集める目的でシェアし、生業者を罵倒するコメントを書きなぐる様は、もはや様々な場所で見かける光景ではありますが、ページを運営しているのはSNSに精通しているわけでもヘイトスピーチに慣れている訳でもないので、かなり面食らったと思います。

ただ、個人的には、猟友会で行われている捕殺よりももっと理不尽で、残酷な狩猟が世の中にはあり、そう言ったことを問題視するアニマルライツ活動家が非常に少ないように思えます。
それは、トロフィーハンティングといい、娯楽のための狩りなのです。

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結局「イルカ漁は残酷か」はどのような本だったのか?

ここ最近、「イルカ漁は残酷か」という本について何度か思うところを書かせていただいた。
まだまだ検証すべき点はたくさんあるだろうし、インタビューを受けた方々に聞き取りをし続ければ、さらに奇妙な点は出てくるのではないかと思う。
しかし、正直読まなければいけない本や、しなければならないことは沢山あり、時間というものは有限であるため、今回の記事で一区切りとさせていただこうかと思う。

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過激化するアニマルライツとその矛盾

僕が捕鯨問題について考え始めてから少々時間が経ち、その複雑さからか多岐にわたる切り口をどのように扱っていくかを考えあぐねているうちに、その切り口の一つである「動物の権利(アニマルライツ)」の信奉者たちが、ネットの内と外で、様々な騒動を引き起こしているようだ。
今回は、そのことについて思うところを書いておきたい。

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蔑ろにされた取材

先日、「イルカ漁は残酷か」の内容の正確さついて個人的に質問をさせていただくつもりで、いとう漁協の富戸支所を訪問して、実際に対応をされた日吉さんにお話を伺った。
すると、予想の斜め上をいくような話を聞くことになってしまった。

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くじらの博物館の入館者数は落ち込んでいるか

また今回も、「イルカ漁は残酷か」への指摘です。
先日、Amazonの本著のレビューに自分の感想を書かせていただいたが、その中にも書いた内容にも重なる(もっというと、Facebookでもこのことには触れた)が、風評への影響を考えるなら、これはきちんと反論をしておくべきなのではないかと思い、記事として取り上げることにした。

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畜産と比較される追い込み漁の「残酷さ」の曖昧さ

以前にこんな記事を書いた。
「残酷さ」という曖昧な定義を批判の理由にしてはならない
要約すると、「残酷という言葉の定義は個々人によって異なり、人の思いによって形を与えられるもの。それを根拠に他者の行いを貶めるのはどうなのか?」というような内容なのですが、ここで、図らずしも面白い一文を引用していることに気がついた。
それは、「イルカ漁は残酷か」の著者である伴野準一氏の言葉である。
ここで、再度引用したい。

「製作者の意図通り『これはひでえな』と思いましたね(笑い)。それがイルカ問題に関わるきっかけでした。その後、追い込み漁が行われている太地町の漁師の側に立ったNHKの特別番組が放映されたり、ケネディ駐日大使の『イルカ追い込み漁の非人道性について深く懸念している』というツイートに安倍首相が反論するなどの動きがありましたが、私は取りあえず太地町に行こうと。で、滞在最後の日に偶然、追い込み漁を目撃したんですが、確かに屠殺する場面は残酷で、ショックを受けましたね。牛や豚だって屠殺していると言う人もいますが、イルカの屠殺ははるかに残酷です」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/164078

僕がくじらの博物館の関係者に問い合わせをしたところ、彼はくじらの博物館に対して「中立的な視点でイルカ漁のことを調べたい」というような申し出をしたそうだ。
しかし、彼の心の中にはすでに結論があり、「どうすれば中立を装って追い込み漁批判をすることができるだろうか?」という策略を、くじらの博物館や追い込み漁関係者への取材の時には思いめぐらしていたのだろう。

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