まずはじめに

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みなさん、お久しぶりです。
移転するといいつつ、なかなか移転作業が出来ず、様々な事情で結局は以前のドメイン(http://kujira.tk/)からこのドメイン(http://fkpg.net/)へ場所を移すことになりましたが、これから再び「くじらとーく」というサイトを更新していきたいと思っています。
新たに仕切り直すにあたって、ちょっと更新の方向性というか、今後の姿勢について書いてみたいと思います。

「結局、捕鯨問題ってなんなの?」というところを、僕なりに考えていきたい。

まずは、ちょっとこちらの記事をご覧ください。
これは、本日TwitterでTLに流れてきた、海外の捕鯨問題についての考え方を示すもので、これは捕鯨問題の一つのサンプルとして、とてもいい記事だと思ったので、ご紹介させて頂きました。
この記事は、一見正しいことが書かれているように見えるかも知れませんが、捕鯨について興味を持った人にとっては、首を傾げる様な内容が多いことも事実で、まず、最初のページでは、「捕鯨問題にまつわる4つの基礎知識」とありますが、その基礎知識の説明があまりにもいい加減に語られている(言い換えると「都合のいいように語られている」)ため、あたかも日本が全面的に悪いような印象を持ってしまいます。
そもそも、「くじらをたべるな」ということを、何故日本だけを槍玉に掲げて記事にしているのでしょうか?
英国の近くには、デンマークにノルウェー、そしてアイスランドという、捕鯨国があるにも関わらず、何故か日本を対象に、日本語で記事を書いています。
その意図は、一体何処にあるのでしょうか?
次の「クジラに関する年表」では、IWC設立からモラトリアムまでの非常に重要な期間について、何故か全く語られていません。
最も重要な1972年について、何も書かれていないというのは、捕鯨について若干の知識しかない僕でさえ、非常に不思議な表になっています。

その下の捕鯨賛成派と反対派に分している部分でもそうです。
先住民生存捕鯨という捕鯨行為を行なっている(そしてその権利を主張している)アメリカは、何故か捕鯨反対とされてます(上の「4. 日本以外で、クジラを捕獲している国はないの?」でも、アメリカのことは書かれていません。イヌイットやマカー族の人たちは、合衆国の国民ではないのでしょうか?)。

おかしな内容は更に続きます。
次のグリーンピースの方の記事も、なかなか面白いです。
「グリーンピース設立直後から商業捕鯨には反対との立場を取っています。」と語っていますが、元々彼らは反核団体で、核実験の中止を求めて直接的な阻止行動行なっていたので、この辺りは若干違っているようです。
「捕鯨に反対する主な理由は何ですか。」というところでも、「それは歴史が証明している」と、なかなか面白いことが書かれていますが、南極で日本よりも多くの鯨類を捕獲したのは、一体どこの国だったかを、忘れているんじゃないでしょうか?(イギリスはノルウェーについで二番目に多くの鯨を捕獲し、資源として使用していた)
しかも、その当時はほぼ制約のない状態で捕鯨をしていたのに対し、現在はどうなっているのかという比較がなされていないこの意見には、多くの人が首を傾げるのではないでしょうか?
他にも読んでいけば、色々なところにツッコミが入れられそうな記事なので、もしお時間がありましたら、一度、目を通してみてください。

このように、捕鯨問題というか、捕鯨に関しては、文化や歴史、そして政治的な解釈など、様々なものがねじ曲げられて伝えられています。
上でもちょっとだけ触れましたが、1972年でストックホルムで開かれた「国際連合人間環境会議」で採決された、「商業捕鯨モラトリアム提案」が同じ年のIWC総会で否決された(科学委員会の見解では、鯨種によって資源量が異なる以上、包括的なモラトリアムは科学的に正当化できないとされた)ことは、あまり触れて欲しくないのかも知れません。
「鯨肉の消費が落ちこんでいる」という話もよくされていますが、「鯨肉を扱っていることがわかると、誰かが嫌がらせをする(たしかアンケートをとっていた環境保護団体がありましたね)」なんていう話もあり、しかも漁期が限られる特殊な資源を、在庫のある時期だけをピックアップして「在庫が沢山あるから消費が落ち込んでいるに違いない」というような、都合のいい評価の仕方をすれば、どんな見方でもできてしまうでしょう。
はたして、それは正しい評価といえるのでしょうか?

「くじらとーく」というサイトを作って、いろんなことを調べたり考えたりしているうちに、「捕鯨問題って、本当のところは何なのだろうか?」と、次から次へと疑問が湧いてきます。

政治的な問題なのか?

人種差別に関する問題なのか?

動物愛護や環境保護の問題なのか?

感情論によるものなのか?

……それとも、本当に鯨が絶滅するのだろうか?

ひょっとすると、全てが複雑に絡まった、ややこしい問題なのかも知れません。いや、多分きっと、そうなのでしょう。

では、解決の方法は、果たしてあるのでしょうか?
ひょっとすると、解決方法などは無いかも知れません。
でも、とりあえず、自分の中で、ある程度納得できる考えを持ちたい。
そんなことを、今は考えています。

ですから、若干、自分本意な話題が書かれると思いますが、もしよろしければお付き合いください

もっと、捕鯨の歴史や文化の「面白さ」を知ってほしい。

その昔、鯨を捕るということは、とても大変なことでした。
今でも大変なことですが、昔の人達が鯨を捕るということは、本当に命がけで、時には大背身流れのように、多くの人達の命が奪われるような、そんな事すらありました。
では、どうしてそんな危険な思いをしてまで、鯨を捕ろうとした人たちがいたのでしょう?
例えば、沖縄ではイルカがやってきたのを知ると、学校まで休校になって、みんなが力をあわせてイルカを捕る手伝いをしたり、伊豆の方で捕られたイルカの肉が、長野県で「ヒルよけ(迷信なのですが、そう信じて食されていたそうです)」として食べられていたりと、調べていくと「それ本当なの?」というような話が結構あります。
これは有名な話ですが、マッコウクジラは英語で「Sperm whale(精液クジラの意味)」と書くのは何故かとか、帆船式捕鯨で世界中の海を旅してきた船乗りたちは船の上でイルカを喜んで食べていたこととか、そんな話も、ちょっとしたことではありますが、調べると面白かったり、刺激的だったりします。
ホラー小説で有名なラブクラフトは、「人にとって未知こそが恐怖をもたらすものである」というような意味合いのことを作中で語っているそうです。
知らないことは、様々な誤解を受け、それが迷信となって、やがて偏見を産み、多くの障害を作り出してしまいます。
今の捕鯨を取り巻く状況は、まさにそんな雰囲気があるのではないでしょうか?
だから僕は、そういったどうでもいいことも、出来る限り取り上げていきたいなと思っています。

やっぱり、もっと鯨を食べたい

僕は鯨ベーコンが大好きで、いろんなサイトのプロフィールなんかに鯨ベーコンのことを書いています。
僕の親の世代は、鯨ベーコンは日常的に食べられていた、何の変哲もない食材でした。
それが、今となっては数十グラムの鯨ベーコンを食べるにしても、販売しているお店を探すか、ネットで注文するしか手に入れる方法がありません。
どこにでも売っている、誰でも食べられる食べ物ではなくなってしまいました。
探さないと手に入らない。わざわざネットで注文しないと手に入らない。
そんな、縁遠い食材になってしまったんですね。
こんな状態で「消費量が少なくなっている」なんて批判をされるのは、あまりにも理不尽ではないかと思うわけです。
ですから、もっと鯨食が身近になるように、いろんなことを書いていきたいなと思います。
(※この辺は別サイトの「くじらをたべよう(http://geiniku.jp/)」と被るのですが、こちらはより面白おかしい話を探しては載せていこうと思っています)

とりあえず、この3つのことを、このサイトの方向性にして、新しく記事を書いていこうと思います。
お時間のあるときにでも結構です。
ちょっとだけ中を覗いてくださるとありがたいです。
これからも、よろしくお願い致します。

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