情報発信の重要性

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11/25に和歌山県民文化会館の少ホールにて行われた「特別講演会「太地町における古式捕鯨と世界情勢」」という講演で、情報発信の重要性について語られていたので、その話を……。

11/25に、和歌山県民文化会館の少ホールにて「特別講演会「太地町における古式捕鯨と世界情勢」」という講演があることを知り、聞きに行くことになりました。
 
前半の桜井さんの講演は、六鯨と呼ばれる太地で主に捕られていたと言われる鯨と定められたナガスクジラ・ザトウクジラ・コククジラ・マッコウクジラ・セミクジラ・ニタリクジラについての漁期や捕獲法についての解説と、櫻井さんのフィールドワークから導かれた勢子舟の意匠の持つ意味についてでした。
勢子舟の意匠に関しては、あくまで推測の域を出ない内容でしたが、これは原初のアニマルライツ的な思想に繋がるのではないかと、お話を聞きながら胸が踊るような気分なりました。
 
後半の佐々木さんの講演は、太地を跋扈する活動家のエコテロリズムに関する情報がたっぷりと盛り込まれたもので、この活動についてありがちな誤解についての説明や、新たな動向についての報告などが中心でした。
我々日本に住む日本人に陥りがちな、情報の少なさや狭さを、今までの調査で培った情報や分析力でわかりやすく解説していただけて、会場にいた方々全員の理解が進んだのではないかと思います。
個人的に驚かされたのは、ヨーロッパや様々な国々で激化しつつある活動の様子や、ネット経由で報告・拡散される活動の手法などの存在です。
これらがどのように日本に影響した来るか、注視しなくてはいけないでしょう。
 
また、フェロー諸島での情報発信の様子が紹介され、情報発信の大切に多くの参加者が気付かされました。
この事も一つ大きな前進になるのではないかと思います。
 
情報発信の重要性について僕も個人的に思うところがあった。
というのも、現在の太地町や、調査捕鯨に関する省庁や業界からの情報発信が、とても消極的に感じられたからだ。
例えば太地町について見てみると、あれだけしっかりとした動画コンテンツがあるのに、それがあまり活かされていないことや、最近の調査でわかってきた歴史的な事実が未だにホームページには記載されていません。
調査捕鯨について言えば、今年からの始まるNEWREP-Aという計画についてのわかりやすい説明がどこにも書かれていないようで、あるのはPDFくらいでした。
どちらにも言えることですが、当然反論はあるでしょうがそのことを意識するよりもまずは他者に向かっての説明をキチンと出来ないようでは、反対派は勿論のこと支持している人たちさえも、疑いの目を持ってしまいかねないでしょう。
歴史的かつ伝統的なものなら、それを相手に伝えられるコンテンツを、キチンと準備する必要があると、僕は思います。

しかし、その情報発信というのは、誰かに任せておけば良いものなのだろうか?
図らずしも今年になって、捕鯨や太地町を題材にした2つの映画が話題になった。
奇しくも2つとも女性の監督が携わり、一つは大きな話題になりつつある。
僕も太地町で観てきたが、論理展開や事実関係の疑問点など不満なところはありましたが、とても熱意のこもった作品でした。
不満といえば、太地町という場所に関しての情報がとても少なかったように感じました。
それは主に地元で起きている事象と、関係者のインタビューを中心にまとめたからではないかと思いますが、太地を知るものとしては、やはり何故太地という場所は鯨類と関わり続けているのかを、表現して欲しかったんですね。
 
それで来年、僕も太地という場所を扱った動画を制作しようと考えたいます。
太地という場所を巡る鯨と鯨を追う人達との縁の話を、半年くらいかけて制作する予定です。
太地以外にも、幾つかの場所にロケに行く予定です。
何故太地以外にもロケに行くのかは、また別の機会にお話できればと思います。

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