実は牛肉も「余っていた」のか? - 増える牛肉在庫 –

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鯨肉の在庫ばかりが取りざたされ、問題視されている調査捕鯨。
しかし、実は在庫が増えているのは、鯨肉の在庫だけではないようです。

精肉売り場の様子

www.beefcentral.com の当該記事より借用

牛肉の在庫過剰とその背景は?

この情報はTwitter経由でwubai565さんから教えていただいた情報なのですが、この記事によると大量の在庫を抱えているのは鯨肉だけではないようです。
この記事も機械翻訳を介して読んでみますと、震災の影響などで消費が拡大されなかったこともありますが、どうやら焼き肉チェーン店などで起きた食中毒などによる「食の安全の問題」から牛肉が忌避されているという印象を受けます。
備蓄されている量は88,000トンとBSEの時(約250,000トン)と比較して少なく、夏の終わりごろに消費が集中する傾向があるため、この在庫は解消される可能性があるものの、このまま続けば深刻な問題となってくる可能性もありますから、記事の中でも「しかし、それは我々は非常に注意深く監視するために持っていることを問題だ(“But it’s a matter that we have to monitor very carefully.”)」とインタビューに応じたハート氏も話していますね。

「在庫があるから要らない」わけではない。

先ほどの記事を読んで、在庫が増えてきている牛肉に対して「在庫があるなら余ってるってことでしょ?だったら牛肉なんていらないんじゃない?」「余ってるんだったら安くしてよ」という人は、あまりいないと思います。
何故なら、スーパーや小売店、飲食店で牛肉は供給され続けていて、需要がそこにあることが誰にでもわかっているからです。
目の前にそれがあれば、多くの人が受け入れられます。
それは当然といえば当然ですね。

ところが、これが鯨肉となると、何故か在庫は不要なものと考えられ、「余っているってことは食べている人がいないわけだし、捕鯨なんてやめちゃえば?」という話になってしまいます。
インターネットで検索すれば、いくらでも入手する方法は出てきます。
鯨料理を提供している飲食店も、当然見つかるでしょう。
ただ、市場規模が小さいだけで、そのニーズは確実に存在しているのですが、それを認めようとしない人も多いです。
自分の見える範囲で考えてしまう人は、こういった事実を受け入れられないのでしょう……。

以前にも書いたことですが、鯨肉の在庫が存在する理由は「消費が促進されないから」というネガティブな事情ではなく、鯨肉という品物の特殊さによるところが強く、仕入れ時期に依存するから在庫に波があり、計測の仕方で在庫の量が著しく増加していることも当然あります。
そして、そういった偏った見方で、在庫の意味も考えずに「鯨肉は余っている」と主張する人たちが世の中にはいます。
であるなら、今回の記事にある88,000トンの牛肉は不要なのでしょうか?
日本では牛肉は不要なものになってきているのでしょうか?
在庫があることが、すなわち余っている(=不要なものだ)とは限らないことを、多くの人に知って頂く必要があるように思えます。

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