僕が「クジラ映画」を応援するワケ

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今、一部の人達のあいだで、ある映画のことが話題になっている。
その映画は、捕鯨に関する話題を扱った、厄介そうな映画だ。
だが、僕はこの映画を応援したいと思っている。



情報の発信は必要

以前(確か2011年のことだったような気がする)に三軒町長宛に手紙を書いたことがある。
細かい文面は覚えていないが、内容は正確な情報発信の必要性についてだった。
それは多くの人が望んでいたことだろうし、誰もが考えていたことかもしれない。
それと同じようなことを、単純に誰かにお願いしたかった。
その時は、単純にそれだけだった。

そんなこととは関係なく、様々なテレビ局がニュースなどで太地町の話題をとりあげ、ネットでもその動画が拡散され、多くの人が太地町の現状を話題にするようになった。
ただ、それはあくまで国内の報道止まりで、中には英語字幕がついたものもあった(その拡散にも個人的に協力したりもした)が、僕が知るかぎりそれらが日本人以外に見てもらえたかがわからないような状態だった。

仮にどれだけ意見が正しかったとしても、それが伝わらなければ意味がない。
逆に、どれだけ偏った意見だったとしても、それが繰り返し叫ばれれば、やがてそれが正しい意見として認知されていくことになるかもしれない。
だから、海外にも伝わるようなコンテンツを作る必要がある。


絶対的な中立は存在しない

断っておくが、この映画でされるであろう主張と、僕自身の考えが、必ずしも一致しないことは予想している。
そして、完成した映画が、絶対的な中立ではないだろうということも予想できている。
まず、前者に関しては、僕と佐々木監督では得ている知識や情報、そして今まで歩んできた道のりが違うから、当然到達点が違ってくるだろう。
次に、後者に関しては、そもそもこの問題の中立点の場所自体が誰にもわからないからだ。
恐らく、多くの人が中立なポイントを模索したとしても、それでも真の中立点にたどりつくことはできないだろう。
それに、語り手の見聞きしたものによって、主張には既に何らかのバイアスがかかることは、当然考えられることだ。
だから、この映画が目指す中立という主張には、僕はあまり興味が無い。
ただ、その中立を目指すという姿勢は賞賛したいし、評価されるべきだと思う。
なぜなら、少なくともザ・コーヴでは描かれなかった視点を、多くの人に知ってもらうには、それだけで十分だと思うからだ。


踏み出さなければ何も変わらない

このサイトでは、不定期過ぎてほぼ放置状態ではあるものの、捕鯨や追い込み漁に関する様々な話題を数年間にわたって綴ってきた。
当然、個人的な見解が多いし、そもそも英語がわからない時点で、海外に発信できるような情報ではないというのは、自分でも理解している。
しかし、だからといってそれらが全部無駄になったとは思っていないし、そうしたことが何かのきっかけになっているという事実も、自分では把握している。
無駄かもしれないと思いつつも一歩を踏み出しからこそ、わかってきたこと、知ることができたこと、そして生まれたつながりがあると思っている。
そして、このサイトを運営するにあたっての問題意識が、この映画のことを僕に教えてくれたのだと思う。

この映画の意味は、恐らくかなり大きい。
そして、この映画が作られることにこそ、その価値があるのではないかと思う。
だから、是非より良い形での一歩を踏み出せるように、応援したいと思う。

クラウドファンディングがスタートしてかなり時間が経ち、残り期間も40日を切った。
個人的には、1,500万円という支援金に届かないのではないかと、支援を決めた当初から思っていたが、このクラウドファンディングでは、プロジェクトの成否にかかわらず、支援額が全額発起人に渡る仕組みになっている以上、おそらくは撮影時自体は続き、制作期間が伸びることはあったとしても、制作自体が中止されることはないだろう。
問題は複雑な上に、山積みになっている。
当然、時間もかかることだろう。
それでも、この映画には期待する意味があると、僕は思っている。

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